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詩子母さんのアルバムメモ: お餅10ケ入り袋。裏にシール。
当家のもう一つの主力商品は、このお餅なのです!
「弁天餅(べんてんもち)」と名付けて、販売しているのですが、これが田舎の地にあってか、作る端から売れていくのです。
漬物と同じスーパーさんの他、市場などにも出品しているのですが、いまではしっかり固定ファンのお客様がいらっしゃいます。
わたしはネット販売が専門で、「売れる」ためにはということで、頭を悩ますことが多いのですが、田舎の特に広告もしない店頭販売で、固定ファンが付くほど、時代に逆らうかのような地味な商品が売れるのは、地道に商売を重ねてきた母のさまざまな努力のたまものだと思っています。
詩子母さんのアルバムメモ: 寒餅の出荷。1月20日頃から2月4日の節分まで。
写真は、寒さが年間を通して一番厳しい時に作られるお餅です。
1月下旬から2月初旬の節分までに作られるお餅は、「寒餅(かんもち)」と呼ばれます。
お雑煮やお汁粉に入れると、ねっとりとしつつ、不思議と歯切れのいい、出汁の味わいとたいへん相性のいいお餅なのです。
何気にどこかもち米の粒感も感じられるのが、「あぁ、手作りのお餅を食べている」といった充実感が口いっぱいに広がるのです。
いいお餅を作ることが売れている最大の理由なのでしょうけど、田舎ではまだまだお餅を、わたしが思った以上に食べる食文化を維持しているようです。
詩子母さんのアルバムメモ: 今日はもちの注文が多かったので、おばあさん二人と頑張りました。
冬のお餅が一番売れるときには、こうして近所からお手伝いのおばあちゃんたちが、助っ人でやって来ます。
腕前はさすがに年季が入っているので、筋金入りで、無駄無く、もくもくとお餅を作り上げていくのです。
田舎産業の担い手は、こうしたお年寄りたちが、いまでも主力です。
写真に写っているわたしも馴染みのおばあちゃんたち、・・・老けましたね。ちょっと物悲しくなりますが、こうして元気で現役で頑張っているところを、写真を通じて見る事ができると、ほっとします。
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第五葉〜何故か!?大人気!かき餅 |
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詩子母さんのアルバムメモ: もち箱に流し込んだかきもち。二日間かためます。
さて当家ブランドの弁天餅(べんてんもち)ですが、さらに加工して「かき餅」として販売しています。
「かき餅」とは、この地域で短冊(たんざく)型に切った乾いたカチカチのお餅を、火であぶってお煎餅にしたものをいいます。
写真は、ちょうど搗いたお餅を、木枠に流し込んで、かき餅用に加工するための一段階の状態です。
子供の頃、覚えているのは、この状態のお餅の上品なもち米の香りと、ほんのりと置かれた棚からほんのりと伝わってくる遠赤外線のような放熱のあたたかみです。
倉庫内の雰囲気が、しっとりとした静寂につつまれます。こうして涼しい暗い倉庫の湿度の低い、乾いた室内でゆっくり自然乾燥&放熱をさせ寝かせられるのです。
詩子母さんのアルバムメモ: 一枚一枚ていねいに切ります。
木枠に流され倉庫内できれいに固まったお餅は、写真のような切断機で、一枚一枚切って、商品のかたちに仕上げていきます。
しっとりとしたお餅ですので、切断面はたいへんきれいでつやつやしています。
切る感触は、きっと北欧の硬目のチーズを切る感じに、近かったように思います。
この写真のお餅は、「よもぎ」が入っているので、緑色をしています。「よもぎ」ももちろん地物で、母が決まったところから自ら摘んできたものを素材として使っています。とってもよもぎがいい香りと風味を出してくれるんですよ。
他に大豆を入れたものもあり、こちらは香ばしさが何ともいえません。
詩子母さんのアルバムメモ: 切ったかき餅を一枚づつならべて干します。1月から3月の初めまでしか作れません。ほしすぎると割れるし、湿度が高くなるとカビがでます。
切られて商品の形になったかき餅は、こうして棚干しされて、本格的に乾かされます。
このお餅は、乾ききるとたいへん固くなって、下手をすると端で手を切りそうなほどなのです。歯で噛み付くと、確実に歯の方が欠けます。
乾かすタイミングと場所は、気を使います。湿度が高いと、すぐにカビが生えてしまうそうです。干し過ぎても割れてしまいます。ここでも自然乾燥させて、人工的な手間はかけません。ですので、この棚干し作業は、1月から3月初めまでの決まった期間にしか出来ないので、その決まった期間で作ることが可能なものだけが、1年分の商品在庫となるのです。天然素材と時間とタイミングのみを使って、作り上げる食品なのです。
詩子母さんのアルバムメモ: 干しあがったら小袋につめて出荷です。
きっちり適度に乾燥が済むと、袋詰めされて、一応の商品の完成となります。
この後、時間と手間の許す限り一枚ずつ、火であぶってお煎餅のようなお菓子の状態に仕上げた商品も作ります。
本来ならこの状態で、出荷する方が、お客様はすぐに食べることができるので、楽なのでしょうが、焼くにも丁寧に一枚ずつ母一人で作業していますので、とても大量な干した餅板をその日の出荷分ごとに焼くことはできません。
なので干した餅板の状態で、ご購入頂いたお客様は、自分で焼いて頂くことになるのです。そんな手間の掛かる食べ物なのですが、たいへんよく売れるというから驚きです。
しかも全く調味料で味付けしていません。なので味わいは素材のみの味で、たいへん淡白で、ポテトチップスの小気味いい塩味の利いたお菓子を食べなれた世代には、物足りないかもしれません。
しかし食べたらわかるのですが、食べれば食べるほど、噛めば噛むほどに、味わいの奥行きが分かるようになり、気がつくとやめられなくなっているのです。
詩子母さんのアルバムメモ: かきもちの1kg入り。お遣い物(進物)にも喜ばれます。
なんと1kg入りという徳用商品でも、出荷していたんですね!贈りものにも使われるそうですが、田舎独自のダイナミックな食べるのに手間のかかる食品ですね。
これが田舎の人気商品というのですから、都市型生活をしているわたしには、出身者なのにこんなことを言うのも何なのですが、田舎の生活は奥深いものがあります。。。。
写真は、母なりに頑張ってみた感じが伝わる飾りつけが、実直ないい雰囲気を伝えます。寒椿が色鮮やかで、かき餅の落ち着いた色目とは対照的です。
詩子母さんのアルバムメモ: 焼いたかきもちの出荷。油であげてもおいしい。
写真のかき餅が、先ほどお話しした火であぶって焼いた状態のかき餅です。
きれいに黄金色に焼き色の付いたかき餅は、香ばしさと素材の味が最高の逸品に仕上がっています。
子供の頃は、素材の味より、わかりやすいポテトチップスの塩味の方に走り勝ちなのは仕方の無いことで、そのくせテーブルの上にあるとなんとなく全部食べていたりしてました。
また子供にも親しみやすいように、油で揚げて砂糖をまぶしたものもよく食べましたね。焼いただけのものより、もちろんしっかり味があって、サクサク感も油であげることで、やわらかいものになりますので、素朴なおやつとして子供時代よく食べた記憶があります。
さて、これで母撮影による、田舎生活を取り巻く情景写真もすべて紹介できました。
早い時代の流れに沿うような生活をしているわたしには、とてものんびりした写真の数々でしたが、決して誰もが持っている失いたくないものが、この心の内に蘇ってくるのを感じたのでした。
こうして考えると、わたしの実家の地方だけにとどまらず、いろいろなところで人と環境が共鳴しあい、さまざま味わいが産まれて、賞味されているのが分かります。
あなたの周りにも、そんな「味わい」に満ちているはずです。ずっとずっと大切にしていって下さいね。
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